いつからか「家族」は絶対的な善となり正義となった。守るべきものであり大切にすべきものと考えられている。

でも、「家族」は人間が努力をして獲得したものではない。生物として生きていれば自然に、簡単に手に入れられるものだ。それなのに価値を見出す根拠はどこにあるのだろう?

家族を作り、子を残した人間の子孫だけがいま人間として存在している。だからいま存在する人間には「家族」を肯定する本能があるのかもしれない。だけどそれは真実か?家族を持たずに子孫を残さなかった人間が不幸だったのか?そうではないだろう。ただ、いま存在する人間の多数派の本能と合わないだけだ。

そもそも子孫を残すことが善いことなのか?例えば生殖機能を失ってあと一代で絶えてしまう種がいたとしても、生きることを楽しむことは可能だし意義がある。

「家族」を持つことで生きることが楽になる側面はあるだろう。ひとは30歳前後から生きる目的を失いがちだ。若いうちは「良い学校に行きたい」「夢をかなえたい」「いい会社に入りたい。」「お金が欲しい」などの夢を持つことができる。そしてその夢を生きる目的にすることができる。ところが30歳前後でそういった夢の先が見えてくる。だから自分の気持ちを充実させるために別の目標が欲しくなる。「素敵な家族を作る」「子供を立派に育てる」こう言った目標は生きる意味を与えてくれるのかもしれない。

そうだとしたら「家族」は自分を満足させるためのモノであって、それ自体に意味や価値はない。善や正義であることを前提に「家族」が個人に何かを強制してはいけない。

  • 育ててもらったのだから親の面倒を見るのは当たり前。
  • 親と離れて子供が育つのはよくない。
  • 兄弟は支えあって生きて行くべき。

すべて個人の気持ち次第。「家族」であることは理由にならない。

そこが自分の居場所だと思うならいればいい。息苦しいなら逃げればいい。「家族」なんてその程度のものだ。偏った価値観で個人を苦しめるものであってはならない。