2020年になってから、この国の権力構造が変わってきました。

元大阪府知事の橋下徹さんがこんなことを言っています。

「天の邪鬼かもしれないが、日本は戦後、“公権力は国民の自由を奪えない、人権を奪えない”っていう教育を徹底してきた。それでも今回、“お願いです。要請ですよ。従うかどうかは国民の判断ですよ。どうか自由に判断してください。だから補償はしないんですよ”という仕組みになっているにも関わらず、国民自らが一斉に自由を制限、放棄してくのを見ていると、戦後教育ってなんだったんだろうと思った」

僕の目から見ると橋下さんはかなり右寄りの人です。経済を優先して考えているし、必要でない福祉は切り捨てるという意見の持ち主。その人が他人の権利を制限することを躊躇しない世論に警鐘を鳴らしています。

思い起こすと安倍首相は緊急事態宣言を出すのを躊躇していました。安倍さんの場合は支持母体である経済界に影響を与えるのを気にしたのかもしれません。それでも右寄りの安倍さんが権力の行使を躊躇したのは事実です。

これに対して庶民の味方=左寄りの知事、立憲民主党・共産党をはじめとする野党は権力行使に積極的な姿勢になっています。緊急事態宣言・飲食業などの特定業界を狙い撃ちにする権利制限を推進。命を守るためにみんなで自粛するべきだ。従わない人にはもっと制限をかけるべきだ。そのためにもっと知事に権力を。こんなメッセージを打ち出し、世論はそれを支持しました。この状態は第二次世界大戦前の日本と酷似する危険な状態だと思います。

ぜいたくは敵だ。日本を守るためにみんな我慢をするべきだ。余分なお金がある人からは徴収しよう。多様な意見など必要ない。いまは勝つためにお国のために一丸となるべきだ。軍部が作った価値観に国民はコントロールされ、第二次世界大戦で大きな犠牲を出しました。

目の前に危機が迫った時に人の意見をコントロールすることは簡単です。特に学ぶ力のない人は簡単に操作できるから、分かりやすいメッセージで支持を得よう。そして権力を行使しまくろう。これが知事や野党がやろうとしていることです。国民は彼らにバカだと認知され、いいように利用されています。

それに気づけないのがいまのこの国のレベルなのでしょう。いつからこうなってしまったのかは定かではありませんが、SNSなどの普及と経済状況の悪化が影響していると思います。

SNSで群れることができるようになってから、人は学ばず考えずとも自分の意見を肯定してもらえるようになりました。SNSによってバカな意見の居場所ができてしまい、それが集まって多数意見になることでバカが権力と化していきました。

そのバカな意見はコンプレックスから出てくることがほとんどです。いい生活しやがって。目立ちやがって。こいつらの権利なんか認めなきゃいい。そういう嫉妬が考えの浅い意見を生み、それがどんどんSNSで表明され権力化される。残念ながらこの国が貧しくなったことがバカの権力を増やし続けています。そしてその権力は一部の政治家にいいように利用されています。

SNSが消えることはないでしょうから、国民の経済力が上向かない限りバカの権力は強くなっていくのでしょう。COVID-19で経済力が弱くなっているいま、この権力は強くなっていくと思います。学ぶことのできる人が抑制してくれることを願うのみです。