英語でのライティングに苦しんでいる人の魂の叫びです。

転職をして英語で文章を書く機会が増えました。ドラフトを書いて上司(アメリカの大学を出た人だと思う)に提出すると、文章構成・文法ともに毎回原型をとどめないくらい直されて返ってきます。これが結構精神的なダメージで苦しんでいます。

文章構成は、最終的には考え方の違いに起因するものなので受け入れやすいのですが、文法を直されるのはダメージが大きい。自分が書く文章が子供っぽい・わかりにくいと思われているのは恥ずかしいし、そんなことに上司に時間を使わせるのは申し訳ない。だから直したいけれど、上司に文法の基礎を説明してもらうわけにもいかず、何を直したらよいかわからない。そんなジレンマに苦しんでいます。

そこで藁にもすがる思いでこの本を買ってみました。

読み始めてすぐに落ち込むことになりました。日本語をベースに英文を組み立てることによって生じる『主語と動詞が遠くなってしまう』『受動態の多用』『It〜構文の多用』『There〜構文の多用』が、『大学受験で満点を取れるけれど』伝わりにくい悪文の典型例として説明されていたんです。

僕の英文の7割以上はこの4つ悪例で成り立っています。これを主語を明確にした能動態に変えなければ伝わりやすく英語らしい英文にならないのだそうです。

本書の例を引用してみます。

日本では、ティーンエージャーの間でスマートフォンの普及率が80%を超えている。

これの悪い英訳は、In Japan, the penetration rate of smartphone among teenagers is more than 80%. これ、まさに僕が書いてしまう文。でも『主語と動詞が遠くなってしまう』典型例…。

良い英文は Over 80% of Japanese teenagers have smartphones. 確かに、これまで仕事でもこういう直しかたをされて来た気がします。

でも、この2つの文、日本語に直訳すると悪例の方がよい文です。悪例を日本語にすると、「日本では、ティーンエージャーの間ではスマートフォンの普及率が80%を超えている。」となるのに対し、良い例は「80%以上の日本のティーンエージャーはスマートフォンを持っている。」となります。良い例の方がバカっぽい。この日本語をビジネス文書に使うのは難しい。

要は日本語と英語ではきちんとした文章の構成が真逆であるということだと思います。日本語は高尚な名詞(上の例では普及率)を多用して、長文で伝えていくのに対して、英語では文の冒頭の主語・動詞で結論を理解できるようにシンプルな文章で伝えていく。

きちんとした日本語の構造を維持したまま英語に直そうとすると『受動態の多用』『It〜構文の多用』『There〜構文の多用』が必要になります。その結果、見事に読みにくい文章が出来上がってしまう。つまり、良い日本語文の直訳は、悪い英文だということになります。

英文をきちんと書くためにはこの構造の違いを理解することが必要なようです。訳す時に言葉だけでなく文章構造も変換する必要がある。

でもこの構造の違いは日本の学校では教えてくれない。それどころか、僕の記憶では受動態もIt構文もThere構文も、高度な文法として推奨されていたと思います。だから僕の頭の中ではスタンダードになってしまっていて、すぐ書いてしまう。

受動態もIt構文もThere構文も少しだけ教えてくれればよかった。それよりも日本語の長い文章を能動態のシンプルな英語に変える練習をしたかった。きっとそれが英文を書けるようになるために一番大切な訓練です。

日本の教科書の英語では、会話やプレゼンテーションはできるようになっても、きちんとした文章を書けるようになりません。僕のように大人になってから勉強し直すことがなくてよいよう、教科書の中身を変えた方が良いと思います。文章構造の話なので、先生の英語力が無くたってすぐに改善できるはずです。

この本、日本の英語教育を受けた人には衝撃的な学びがたくさん詰まっています。英語に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。