真っ直ぐが苦手だ。

世の中のいまの価値観。正しいことがあって、そこに向かって真っ直ぐ進む。脇道やカーブは必要ない。道から外れたものは異端として攻撃対象になる。社会は多様になっているはずなのに、人は違いを許容できなくなっている。そんな不思議なことが起きています。

実際、脇道を進んでいる人はたくさんいます。ただ、彼らの声はあまり聞こえてこない。大多数の『正義』から外れた人間は、声を出すと攻撃されるから。多数派=『正義』と認められる人だけが声を上げる窮屈な世界になっています。

『正義』はなぜ他者を攻撃をするのか?それは正しい道を歩く生き方に不安や不満があるから。自分とは違う他者を否定することで、自分が正しいと言い聞かせ、自分の生き方に自信を持とうとしている。個人の精神のバランスを取るためには良い方法だけど、いまはこれが集団となって他者を襲い始めて害悪になっています。

コロナウイルス予防のためにマスクをするべきだ。それが正しいことなのだから。マスクの予防効果が検証されていなくても正しいことと信じ、着けていない人を攻撃する。そして『正義』であり続けるためにマスクを買い占める。

不要不急の外出はするべきではない。人の命が最優先だ。そのことによって仕事がなくなり、命の危険が迫る人がどの程度いるかは考えようとしない。

経済的に困窮する人が増えれば、今度は国による援助を要求するのでしょう。科学的根拠に基づいて、経済を回すべく生活スタイルを元に戻す方向の議論はこういう人からは出てこない。なぜなら彼らには人命と安全は『正義』でお金は『悪』だから。そして援助によって国の財政が悪化することは考えない。

真面目、一本木、一生懸命。いつの時代も真っ直ぐであることはよいこととして語られます。でもそれは冷静さ・許容性を失わせるリスクの高い考え方。もう少し斜に構える人が増えて欲しいと思います。