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『やらない』ことを決められない人は仕事ができるようにならない

営業マンのあなたは年末までに1000万円を売り上げると言う目標があります。そしていま、以下の活動をしています。

 

  1. 大企業Aにうまく入り込むことができれば年内に1000万円の確保はできそう。その上、長期的に売り上げの拡大が見込めるので、Aは攻略したい企業。しかし要求品質が高く、現状の自分の商品ではそれを満たせないので苦戦中。開発部門が商品の改良に取り組んでいるが、要望を満たせるような商品ができるまでには時間がかかりそうなので、いまの商品で売れるチャンスを探している。
  2. 中堅企業B, C, Dと商談が進んでおり、それぞれ200万円ずつの商談が進んでいる。成約の確度は高い。

 

この状況だと1と2を同時に進行させ、目標の達成を目指すのが成功に見えます。しかし実はそれをしてしまうと目標に届かない可能性が高くなります。なぜなら1が成功する確率は限りなく低いからです。

 

自分の商品がAの要求品質を満たしていない以上、期待を持つのは無駄なことです。もちろん確率はゼロではありません。ゼロでない限りは取り組むべきと言う考え方もあると思います。しかしそのような低い確率の案件に時間を使うことはあなたの限られた時間を奪い、他の可能性を潰してしまいます。

 

ここでやるべきは、2の3つの案件を確実に取るとともに、B, C, Dと似たような会社を見込み顧客として加えることです。B, C, Dはあなたの商品に満足しているわけですから、同種の企業を見つけることができれば成約につながりやすいはずです。

 

Aにこだわってしまうと、新しい見込み顧客を見つける時間が十分に作れないかもしれません。さらに悪いことは、Aに取り組んでいることが自分の中での言い訳となって、新しい見込み顧客を探すことを怠ってしまうかもしれないことです。上司へも『A, B, C, Dを進めてます。』と報告できるので、Aに取り組むことで、表面的にも精神的にも『一応順調』と言う状況ができてしまうんです。でも、本当はA案件の制約の可能性は低い訳ですから全然順調じゃない。

 

この場合『いまはAの案件を追わない』と言うのが必要な判断になります。それによって、Aで取れない売り上げを埋めるために何かをしなきゃいけないと言うのが明確になってきます。そうしてはじめて、目標達成のための方策が見えてきます。

 

Aは長期的に重要な顧客です。だから開発部門は商品開発に取り組んでいます。その間にあなたのできることはほとんどありません。ならばAは一旦捨てるべき案件です。諦めることに罪悪感を覚える人もいるかもしれませんが、他の可能性を追うために諦めているのですから罪なわけがありません。むしろ見込みのない営業活動を続けることの方が罪は大きいです。

 

結果が出ない人、時間が足りない人の中には、この『やらない』ことを決められない人が多いです。本人は一生懸命仕事をしているつもりなので、上司や周りの人間も助言ができず状況が変わらないことが多い。この悪循環は自分で気づかないと止めることはできません。

 

この『やらない』判断をするためには、3ヶ月程度の短い目標を設定することが有効です。いまから3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後、1年後に達成するゴールを明確にすると、いま自分が取り組んでいることがどのタイミングで生きてくるかがわかります。そして、ゴールに貢献しないものは『やらない』と言う判断ができます。

 

『やらない』と言う言葉はネガティブに聞こえます。しかしそれは本当にやるべきことを実行するために必要なプロセスだと理解をすべきです。

 

ちなみに『やらない』こと決められない人が多いのは欧米人も日本人も同じなんですが、理由が真逆なのが面白いです。欧米人はそのことの難しさを認識せずに『できるはずだ』と前向きに考えて取り組み続けてしまう。日本人は難しさを認識して『無理かな?』と思いつつ、『でもこれは自分の仕事だし…。』と言う責任感からダラダラと続けてしまう。結果は同じですがプロセスが違うのは面白いですね。